2016年10月13日木曜日

【ほこんたけインタビュー】No.001 佐囲東 士良さん(宮平)


【ほこんたけインタビュー】
フルバージョン(全文掲載版) No.1
※こちらでは配布版「ほこんたけ通信」ではスペースの都合で掲載できなかった内容も含めてご紹介しています♪是非ご覧ください。

佐囲東 士良さん 宮平2016年9月28日 ご自宅にて
第1弾のほこんたけインタビューに登場いただくのは、上早川の約20の神社の神職をされている佐囲東士良さん(80歳)。上早川中学校を卒業(昭和27年)後、県内の工業高校の教師、校長を歴任。柏崎工業高校校長を平成9年3月に退職し、上早川へ。神職のお立場からのお話しをお聞きしようと伺ったところ、全く予定外のお話しに・・・


-----上早川を出られて教師をされていたころのお話しを。 

教師の活動は「教科内」(授業)と「教科外」(部活等)に分けられるけれど、教科内はあたりまえで、私は教科外にできるだけ力を注いだ。
部活は自転車競技部の監督を頼まれ、国体、インターハイに行きました。

そして(これはあんまり言ってないんだけれど)、ボクシングを通した青少年教育に情熱を注いだ。昭和40年代当時、全国で暴走族が猛威を振るっていて新潟でもそうだった。当時の弥彦村の小林村長に、私自身が学生時代にボクシングをしていたこともあり「どうにかしてくれ」と頼まれた。自転車の練習で弥彦スカイラインやシーサイドラインで生徒たちと練習していると、暴走族がよく通っていたんだよ。この子たちにボクシングを教えようと考えた。そこで、吉田村の会社の倉庫を無償で借りてボクシング練習場を創設した。当時はボクシングの印象が非常に悪く、練習場の確保に苦労した。吉田の倉庫は途中で使えなくなった。その後はようやく加茂市の自動車会社で面倒をみてもらうこととなり、加茂・燕・三条から青少年が集まり、社会教育環境を作っていった。
ボクシングは夜7時から9時まで練習して暴れん坊たちをクタクタにしたので、バイクに乗る元気もなくなり、暴走族が減って弥彦村はじめ辺り一帯がよくなったと感謝された。
暴走族のリーダークラスを意識的に引っ張ってきて、ボクシングさせる。一緒にトレーニングする。自然に他のメンバーも集まってくる。伏見工業高校のラグビーでの社会教育活動(ドラマ「スクールウォーズ」の世界)と似ているね。

この当時は、放課後から夕方にかけて自転車、夜はボクシング、帰宅は10時過ぎという毎日だった。ボクシングジムの教え子たちとは今でも年に一回会っている。いや、本当に暴れん坊だったんだよ・・・
その後、学校側から「自転車とボクシングばかりやっているなよ!」と管理職試験を受けることになった。管理職(校長)になってからは部活動からは徐々に離れていったんだ。
※(聞き手注)当時の新聞記事や資料などからも、ボクシングクラブの監督や国体にボクシングの成年男子監督として出場したり、役員を歴任したりと、自転車競技以上にボクシングでの活躍が見られます。
※(聞き手注)「加茂アマチュアボクシングクラブ」は現在でも存在しており、佐囲東さんは「相談役」となっておられます。それにしても予想外のボクシングのお話しが大変興味深く、あっという間に時間が立ちます・・・


 -----上早川に戻られたときの印象は?
一度(昭和27年)外に出て(平成9年に)戻ってきた立場から見ると、改めてここ上早川の良いところがよくわかった。でも、地域の雰囲気として最初に感じたのは「元気がない」ということだった。一言でいうと「心の過疎」。上早川はだめだ、早く出たい、という人が少なくなかった。よく聞く言葉は「どうせここはだめだ」といったもの・・・誇り、上早川の良さを再認識する必要があると思った。


-----今までの経験を振り返って、上早川地区に思うことは?
上早川は本当にいいところだと心から思う。もっともっと元気になってほしい。今やっている地域プラン活動は素晴らしいと思う。「一歩一歩」できるところからやっていけばいい。
そして私の経験(自転車競技やボクシングの指導)から一番伝えたいことは「馬鹿になる人が必要」ということ。損得勘定ではない、どれだけ周りから馬鹿にされても白い目で見られても、何か一つ(大好きなこと、趣味はもちろん、地域活動も素晴らしい)、情熱をもって馬鹿になって頑張れる人が一人でも多く必要。誰かが見ている、そして仲間が増えていくと思う。そうなれば上早川はもっともっと素晴らしい地域になると思う。
それともう一つ。私はこれまで「青少年健全育成」に情熱をかけてきたつもりだが、その視点からも、これは上早川というより日本全体のことで、とても心配しているのだけれど、「いじめ」の問題。直接の暴力や言葉の暴力。今のいじめは「自分を持ち上げる」ためにやっているように思う。自信がなく、恐れがあるからだれかをいじめる。人の痛みがわからないのかもしれない。社会教育の土台が弱くなっているのかな。世の中全体がお金のためだけの「仕事」社会、極端なサラリーマン化したことと関係あると思う。この問題も、損得抜きで情熱をもって頑張る人が求められていると思う。

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あっという間に2時間。当初予定していた上早川のお宮のことなど、神職をされているお立場からのお話しがほとんど聞けていない・・・ボクシング版スクールウォーズともいえる教育活動のお話しがあまりにも面白く、時計をみて焦った次第です。神職のお立場からのお話しはまた別の機会にお願いします!(聞き手、文責:地域プラン情報班メンバー 近藤)

これからほこんたけ通信では、多くの皆さまの生の声、想いをお伝えしていきます。地域プラン情報班としましては、上早川の全員にインタビューして、上早川のみんなで共有していきたいと思っています(何年かかるかな?)。ご期待ください。そしてよろしくお願いします (#^.^#)。

以上

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